フルタイムで働き、夕方以降に帰宅してから子どもの宿題・送迎・夕食・入浴・明日の準備…と家事が連続する中で「掃除」は後回しになりがち。気づけば週末に“まとめ掃除”でヘトヘト、というのが多くの共働き・子育て家庭のリアルです。ここでは、佐藤美和子さんのようなワーママがなぜ掃除を負担に感じやすいのかを、原因ごとに分かりやすく整理します。理由を知れば、次章以降の時短テクがグッと効きます。
掃除の「完璧主義」がストレスになる
「水回りはピカピカであるべき」「床は毎日全面を拭きたい」など、高すぎる基準が自分を縛ってしまうと、短時間で終えられずストレスの元に。
あるあるサイン
30分で済むはずが「どうせやるなら徹底的に」と2時間コースに。
手をつけるハードルが上がり、結果として先延ばしに。
なぜ起きる?
SNSや理想の暮らしのイメージに引っ張られ、家庭の実情(時間・体力・子どもの年齢)とのギャップが拡大。
放置すると
汚れが蓄積→さらに時間が必要→ますます腰が重くなる“負のループ”。
今すぐできる一歩
“見た目7割OK”を標準に。仕上げレベルを用途別に3段階(クイック/標準/徹底)で持つと、日常の着手率が上がります。
時間・体力・気力のバランスが崩れがち
子育て期はタイムテーブルが他者都合(園や学校、習い事、家族の体調)に左右され、計画通りに進みにくいのが前提。
あるあるサイン
「今日は床掃除!」と決めても、急な宿題対応や持ち物準備で中断。
夜にまわすと疲労で集中力が切れ、質もスピードも落ちる。
なぜ起きる?
家事は“連続工程”。料理→配膳→片づけ→入浴→寝かしつけで意思決定と移動が多く、認知負荷が高い。掃除は後段に回るほど実行しづらい。
放置すると
週末にタスクが雪だるま化し、家族の休息時間が削られる。
今すぐできる一歩
タスクの粒度を5〜10分に最小化(例:シンク周り“だけ”、洗面台の蛇口“だけ”)。“まとまった時間がないと無理”という思い込みを手放します。
「やらなきゃ」と思いながらできない罪悪感
「私がちゃんとやらなきゃ」という気持ちが、罪悪感や自己否定を生み、さらに行動を鈍らせます。
あるあるサイン
少し散らかると「ダメな母(妻)だ」と自己評価が下がる。
家族に頼む前に“説明が面倒”“期待通りにならない”と結局自分で抱え込む。
なぜ起きる?
役割固定観念+過去のやり方の惰性。家族の関与設計(分担ルール・道具配置・手順の可視化)がないため、頼りにくい。
放置すると
家事が“私だけの仕事”になり、疲弊→イライラ→家庭の空気も悪循環。
今すぐできる一歩
“頼みやすい仕組み”を先に作る(例:ウェットシートは各部屋に、子ども用ミニワイパーを低い位置に、チェックリストを冷蔵庫に貼る)。「お願い」ではなく**“仕組みが動く”**状態に。
まとめ
つらさの正体は、完璧主義・認知負荷・役割固定の三重苦。
対処の第一歩は、基準の再設定(見た目7割)、タスクの細分化(5〜10分)、家族が動ける仕組み化が重要